特集記事

理路雑然 /-27-

2015年02月21日(土)

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理路雑然

 工場の立地はより有利な場所が選ばれる。これもEテレ高校講座・地理からの受け売り

  品物の輸送販売に有利な都市が近い「市場指向型」、原料や燃料が入りやすい「原料指向型」、安い労働力と量を得やすい「労働力指向型」、部品調達や高い技術レベルと連携を求める「集積指向型」、グローバル化に対応する港や流通が必要な「交通指向型」、そして国や自治体が優遇する「誘致指向型」などだ。このような分類で見ると、なぜその工場がそこにあるのか理解できる

  受験勉強をしている訳ではない。目的に対し何が有利かを分析することは大切だ

  竹村公太郎氏の本に、「文明の構造モデル」が説明されていた。文明はまず「地形」と「気象」に立脚し、その上に下部構造(インフラ)として「安全」「食料」「エネルギー」「交流」がある。それらがしっかりしていれば、その上に位置する上部構造(文化)が発展する。下部構造が不足し衰退すれば上部構造も衰退する。ここで言う「文化」とは産業、商業、金融、医療、教育、芸術、スポーツなどだ。順番を欠くとうまくいかない。この分析は役に立つ

  この着眼点は「文明」の話だけでなく、現在の日本の県・市の問題にも共通する。東京一極集中の弊害や、地方人口が減り多くの都市が消滅する近未来に対してだ。直面する県・市は「でも、うちには何にもない」などと言わず、基本的な分析と対策に努めて欲しい  我々も合理的視点で物事を考える必要がある。


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