理路雑然 /-106-
2018年03月24日(土)
特集記事
理路雑然
JR東海のリニア新幹線工事でスーパーゼネコン4社が「談合」の疑いで起訴されそうだ。「談合による価格調整の結果、入札による本来の競争が起きず『不当に高い価格』となった」という。雲の上の世界の話だが疑問を感じた リニア工事は国家的大事業であり、かつ予測不可能な難工事が予想される。高度で特殊な仕事であり、果たして通常の案件と同様に「偽計業務妨害」「独占禁止法違反」を適用して良いのか。技術的にも価格的にも比較出来なければ、『不当に高い価格』の根拠そのものがない
もともとJR東海や国が一体となって進める事業ではなかったのか。ならば各社の得意不得意を判断した随意契約の方が妥当だ。価格を疑うならば、実費費用を算定し、適切な利潤を加算する方法もある
戦闘機や戦艦、ロケットや衛星、原発の事故処理も価格だけで決められない。そもそも発注する側は前もって、計画詳細や必要費用を理解しているわけではない。それらは経験と実績のある受注側の能力に頼るしかない。受注側も事前に、技術開発や計画作成協力に多額の投資費用を要する。つまり事前の協議と調整が必要なのだ
時代変化に対応できる法制度に変えていく必要がある。何もかも杓子定規に、偏狭に、教条主義的な法の運用は現状にそぐわない。指摘すべきはその点なのに、当局の発表を疑問も感じず垂れ流すマスコミも貧弱だ
我々も、ゼネコンは貪欲で、最高売上げや利益を出しているからと言って、妬み根性で冷ややかに事を見てはならない。