またうど/村木嵐
2025年05月12日(月)
オックス書棚
その他
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【またうど】愚直なまでに正直な信(まこと)の者。「この者は、またうどの者なり」、徳川家重の言葉を生涯大切にし続けた老中・田沼意次。宝暦十二年、十代将軍・徳川家治の時代、財源の年貢が限界を迎え、税制の改革者として商人にも課税。身分の低い者も実力があれば登用し、交易に役立つ俵物のため蝦夷地開発を決定。前例や格式にとらわれず、卓見と奮迅の働きで日の本を支えた田沼意次は、なぜ突如老中を罷免され領地を失ったのか。彼は本当に、賄賂にまみれた悪徳政治家なのか?全てを奪われても、志を奪うことは誰にもできない。いつか必ず、次の一里を行く者がある。失脚してもなお失わない誇りと引き際の美しさが胸に染みる傑作歴史小説である。【白河の清きに魚も棲みかねて、もとの濁りの田沼恋しき】白河侯松平定信の「寛政の改革」厳しい倹約が経済を停滞させた。生活も豊かで文化も花開いた「田沼時代」が恋しいと風刺した江戸の狂歌である。
またうど 1,700円(税別)
村木嵐/幻冬舎
CHECK!
著者の村木嵐さんは、司馬遼太郎夫人の個人秘書を務めたことがあります!