対馬の海に沈む/窪田 新之助
2025年08月09日(土)
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その他
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人口わずか3万人の長崎県の離島で、日本一の実績を誇り「JAの神様」と呼ばれた男が、自らが運転する車で海に転落し溺死した。
44歳という若さだった。彼には巨額の横領の疑いがあったが、果たしてこれは彼一人の悪事だったのか?職員の不可解な死をきっかけに、営業ノルマというJAの構造上の問題と、「金」をめぐる人間模様をえぐりだした、衝撃のノンフィクションである。
亡くなった男の名は(JA対馬)の正職員、西山義治。死後明らかとなった被害総額は約22億円にものぼる。
横領の真相は何か、男の上司や同僚だった人物をはじめ、関係者に取材を進めていく。不正の手口には啞然とするしかない。
複雑難解な共済の仕組み、営業ノルマというJAの特異な体質。徹底した取材と人の内なる声を聴くことにより、海の底に沈んだ真実が見えてくる。男を追い詰めたものは何なのか?「共犯者」とは誰なのか?
窪田新之助 /集英社
2,310円(税込)
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